コシウォン

コシウォン(孝試院)は、韓国で人気のある競争率の高い試験、国家上級公務員や公認会計士、弁護士などの試験に合格するために受験勉強をするための小さな勉強部屋のことをいいます。コシ(孝試)は、もともと、中国の影響で、「科挙」という官吏登用の国家試験がありました。この試験に合格した人々が、特権階級であるところの昔の貴族、「ヤンバン(両班)」と呼ばれていました。朝鮮時代は、科挙合格者を出すことが一族の将来の反映に直結することだったので、一族をあげて応援していたようです。この習慣が現在の過剰なまでの受験戦争を引き起こし、コシウォンなるものまでできてしまいました。

今は、コシ専門に受験する人たちだけでなく、地方からソウルの大学を受験するために、コシウォンに寝泊まりして日夜勉強に励み、最難関の大学の合格を目指す人たちもいます。

実際、コシウォン自体は、そんなに広いものではなく、2~3畳、広くても4畳で、台所、トイレ、シャワールームは共同です。トラブル防止の面から、階数によって、男性専用、女性専用の階と分かれています。部屋には、机、ベッド、洋服ロッカーが基本的にあって、テレビ、冷蔵庫、エアコンがついている部屋も金額によってはあります。最近では、インターネット完備の謳い文句にしているコシウォンも増えてきています。多くの人が、自炊することによって、食費を切り詰め、生活費を安く抑えています。

価格は、相場が、200,000~300,000ウォン/月で、高いところだと、400,000ウォン/月、逆に探せば安いところだと、100,000ウォン/月前後であります。

とりあえず、寝て、食事ができればいいので、友人の韓国人は、ホテル代わりにコシウォンを1ヶ月借りて、ういた宿泊費を他にまわして、観光を楽しんでいる強者もいます。