アグチム

慶尚南道(キョンサンナムド)の馬山(マサン)というところの名物料理です。

ソウル市内では、新沙洞(シンサドン)にアグチムの専門店が軒をつらねます。

「アグ」は、韓国語で、アンコウのことです。「チム」は、少量の煮汁で蒸し煮にする料理法です。
コチュジャンベースの辛い調味料で蒸し煮した料理です。
アンコウは食べやすいように一口サイズに切ってあります。
大量の豆もやしと一緒に調理されます。
と言っても、アンコウ自体が骨の多い魚なんでしょうか、骨がいっぱいあって、いくら蒸し煮とはいえ、骨までは柔らかくなっていません。

このアグチムの中に、貝の一種が入っています。
韓国語で、「ミトドッ」といって、日本語だと、「シロボヤ」。
口でちょっとかたい殻をかんで、中身の液体みたいな身をすするのが正しい食べ方だそうだが、
最初に、食べ方のわからなかったわたしは、かたいけど殻のまま食べてしまった。

ある日、韓国人の友人たちとアグチムを食べる機会がありました。
一人の友人が、わたしの取り皿の中を見て、
「何で、ミトドッの殻がないんだ?」ときくので、
「ん?全部食べてしまった」とこたえながら、友人の取り皿の中を見ると、そこには、大量のミトドッの殻の山。
その瞬間理解しました。
中身だけすすって食べるだと。
わたしのこたえを聞いた友人たちは、大爆笑したことは言うまでもありません。

やはり、初めての料理は、何でもきく方が無難ですね。