なさそうでありそうな話(韓国語編)

韓国語は、パッチムという日本語にはない独特の発音があます。このパッチムを正確に発音するか否かによって、韓国人なのか、そうではないのかわかってしまう場合もあります。

パッチムが正確に発音できないばかりに、コミュニケーションミスが生まれたりします。

私の韓国人の友人に、大恋愛の末に、日本人の女性と結婚した方がいます。そんな彼が、話してくれた笑い話。

彼の奥さんは、大のお菓子好き、日本では、今ではとうになくなってしまった駄菓子屋に通うのが日課としていたほどです。最近は、そんな駄菓子屋が復活しているという話もありますが、都市部では、ほとんど見かけなくなりました。韓国では、まだまだ、普通にこの駄菓子屋があります。

彼と一緒に、大好きな駄菓子屋の前を通った時のこと、彼も奥さんの好みを知っていたので、早速駄菓子屋に連れ立って入って行きました。

彼の奥さんは、まだ韓国語をちゃんと話せないのでしょう。でも、彼が自分の好みを覚えていてくれたことに感動し、よせばいいのに、韓国語で表現してしまいました。

「カジャ」

彼は、それを聞いた途端、奥さんの手を引いて、駄菓子屋を後にしたのでした。

それでも、奥さんは、「カジャ」「カジャ」と、まるで、駄々っ子をこねる幼子のように、泣きながら、叫びます。

彼は不思議な顔をしながら、奥さんの手をしっかりと掴んで、駄菓子屋から、ドンドン遠ざかります。

実は、奥さんは、お菓子と韓国語で言いたかったのです。パッチムが入っていますので、聞くと「クァジャ」と聞こえるのがお菓子で、単に、「カジャ」と言うと、パンマル(タメ口)で、「行こう」と言っています。

だから、何回も、「カジャ」「カジャ」と言ってしまうと、「行こう」「行こう」となってしまいます。

後で、奥さんいわく、日本語で言えばよかったと。