チャンヒビン

韓国ドラマ「トンイ」を見ていた人はすでに知っていると思いますが、主人公のトンイと張り合うのが「チャンヒビン」です、

朝鮮王朝唯一の貴族ではなく、中人(平民)出身の王妃です。李氏朝鮮時代の第19代国王粛宗(スクチョン)に子供がなかなかできなかった時に、王宮に上がり、トントン拍子に出世して、側室になり、後の第20代国王景宗(キョンジョン)の母親になります。

韓国では、どちらかというと、悪女のイメージが強く、チャン・ノクスやチョン・ナンジョンとともに、「朝鮮三大悪女」とか、「朝鮮三大妖女」とか呼ばれています。

当時の世相からいって、平民が王宮に上がり、側室になるのは、とても考えられないことで、そこには、「美貌」に眩んだ国王が間違った選択をしたのかもしれません。

彼女は王妃になるまでに、一度は半年間王宮を追われ、再度、王宮に入ると、当時の粛宗の王妃の仁顕王后を擁立する西人派と荘烈大王大妃の南人派の権力争いに乗じて、王妃に上り詰め、世継ぎを産みますが、最後は、仁顕王后が病で亡くなると、チャンヒビンが巫女をつかって呪詛したと疑われ、粛宗から毒薬を渡され、42歳の若さで処刑されます。

現存する肖像画を見ても、そんなに美人とは見えないのですが、現在と当時の美の基準が違っていたのでしょうか。