少し前の李氏朝鮮時代は、暗殺の繰り返しだった。
日本だけでなく、韓国でも権力を握るために毒殺、暗殺は、日常茶飯事だった。
だから、兄弟のうちの誰かが王座に就くと、他の兄弟は地方の長官に体よく
とばされました。近くに兄弟がいた場合、その兄弟は悪くなくてもまわりの
人間が権力を掌握しようとして、国王を亡き者しようとするから、王座に就く
もの気が気ではなかったようです。
また、王宮内では、流言飛語が激しく、誰が味方で、誰が敵か、区別が
難しかったとも言われています。
祖父が皇太子である、自分の息子を殺し、そのことを後で知った孫が
祖父を殺すという尊属殺人が王宮内でまことしやかに行われています。
祖父も王座に就いていましたし、孫も王座に就いています。
自分の生みの親が賜薬(死刑を宣告された身分の高い方が、自殺用に
王から賜る薬)を飲んで、自殺したのを知った息子が、王座に就くや否や
当時の大臣級の高官を次々に粛清していくなどということもありました。
つい最近では、大統領が情報局のトップに暗殺されるという事件もありました。
日本でも、歴史をひもどけば、同じようなことがあるやと思います。
人間、権力を握りたがるものですが、権力と死とは隣りあわせではないのでしょうか。
握った権力を行使する前に、もっと大きな権力に踏みつぶされる。
「因果応報」、「盛者必滅」のたとえどおりです。